ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「あぁ確かに・・ついでに言うと、あの人、迷信深いっていうか、自分を悪者にはしたくないっていうひねくれたところ、あるから」
「だろうな。“だから俺も出世してねえだろ?”と続けて言ったら、妙に納得した顔してたもんな、あいつ」
「んなっ・・・なんて失礼な奴っ!」と憤慨している明里を無視して、「言った俺が“いまむら”にクビきられたことも、あいつを納得させたことに一役買ったのかもな」と言うと、明里がその場に立ち止まった。

「望月さんっ!」と言う明里は、俺を見上げながら腕を組んで仁王立ちしている。
こういう時、ちっちぇえこいつが大きいと感じるのは、こいつに威厳があるからかもしれねえ。
だがムスッと怒ってる顔も、何気に・・・可愛いんだがな。こいつの場合。

俺は「なんだよ」と言いながら、ニヤけないよう気をつけつつ明里を見た。
今は笑う時じゃねえ。

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