ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「よぉ。今日は珍しくよく会うな」

壁のような救い主。
大きな仏様・・・。

望月さんのことをそんな風に思ったのは、こんな道端(ところ)でホントに偶然会ったからかもしれない。

一旦泣き止んでた私の目に、また涙が溜まった。
それと同時に、私は顔をくしゃっとさせながら、スクッと立ち上がって・・。

「ぅ・・・も、もぢづぎざぁ・・ぎゃぅっ!」
「おっとー」

さっきこけたときに右靴のヒールが折れたため、立ち上がった拍子に、私は前のめりによろめいてしまった。

痛っ!
てかこの人の胸板・・硬ぃ。

でも私の前にいた望月さんが受け止めてくれたのは、結果的にとても助かった。
なんて思いながら、私は声を上げてワンワン泣いた。

望月さんの硬い胸板を借りて。
この人の白いTシャツを、ハンカチ代わりに握りしめて。

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