ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
比べた相手が自分の親とか・・結局望月さんのことを「中年オヤジ」と言ってしまったようなもんじゃない!?

でも向かいに座ってる望月さんは、ムッとするどころか、切れ長のつり気味な目を細めてククッと・・・笑ってる!
怒ってないんだ。よかった・・・。

「俺、中学んときからグレてな。学校ロクに行ってねえんだ。言い換えればサボりだな。だから俺には学力も学歴もねえ。あるのはこの体だけだから、俺にできる仕事ってのは結局肉体労働しかなかった。ま、そういう結果になったのは俺自身が招いたことだが。背ぇ高いのは元々だが、16んときから体使って働いてるからな。このガタイはそのおかげだろ」
「どんなお仕事されてきたんですか」
「色々。キャバレーの客寄せとか。寿司屋にいたこともあったし。荷物の宅配運ちゃんとか。これは腰痛めたから半年も経たないうちに辞めたが。結局、工事現場が一番多かった。高速道路とかダム建設。新幹線の駅づくりに、商業施設も建てた。全部じゃねえが、そういう所は日雇いが多いし、訳ありな男が金欲しさに来るからな。誰も個人的に干渉してこねえ。それに、場所によっちゃあ住むとこも世話してもらえる。金もガンガン稼げる。俺向きな職業だ。身一つでそこ行って、完成すればまた別のとこへ移動する。だから日本各地いろんなとこ行ったぞ」

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