ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
よしオッケー。
窓も閉めたし。

ざっと、でもちゃんと確認した私が、玄関の靴箱の上に置いている鍵をパッと掴んでドアを開けると、そこにはもう島野さんはいなかった。

「お待たせしました!・・あの、島野さんは?」
「帰った」
「そうですか」と私は言いながら、納得したように2・3回うなずいた。

当然よね。
“話し”だってもうないし。
この場合、島野さんは、なんていうか・・・負け犬って立場だったし。

でも、ひがみ根性だけはしっかり持ってるからなぁ、あの人。
何か変なこと、しかけてこないといいけど。

「おい都木(つき)」
「はい?」
「おまえ、靴履いてねえぞ」
「えっ!?」

慌てて私が下を見ると・・・確かに裸足のままだった!

やだもう私ったら!
気ばっかり急いてて靴履くの忘れてた!

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