ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「着いたぞ」
「わぁ・・・」

望月さんにウエストを抱えられて、バイクから降ろしてもらった私は、目の前に佇む望月さんのお宅に、ただ見惚れていた。

「こんなところに家があるなんて」と私が呟いたのも無理はない。
だって、家の周りは木に囲まれていて、自然の一部みたいになじんでいるように見えたから。
まるで高原の別荘みたいなんだけど、でもこれはログハウスじゃなくて。
純とまではいかないけど、和風な家。煙突つきの。
面白い組み合わせ。

「なんか・・古いようで新しいような感じですね。そういう様式なのかな。日本家屋だし。新築ですか?」
「築10年だから、ま、そうだな。ここは寺があったんだ。長いこと・・無人寺っていうのか?とにかく、誰も住んでなくて廃墟と化してたんだが、15年くらい前にその寺も取り壊されてな」
「へぇ、そうなんですか。私、ここは地元だけど、この辺はあまり来ないからなぁ。学区も全然違うし。知らなかった」

それに15年前って言ったら私、10歳だし。
望月さんは・・・24か25歳、か。
ってことは、今の私の年齢くらい!?

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