~団塊世代が育った里山から~

女の子の遊び

春寒の空気に木の芽や花のにおいが交じっている外は、縦しまのレースのカーテンを引いたような雨の降る日に、買ったばかりコウモリ傘に雨粒を弾かせながら女の子は遊び友だちを探しに出るのです。
雨降りの日でもいつでも遊ぶ軒下や縁側にだれも居ないと思っていたら、シミだらけの障子戸に裸電球が照らした女の子の姿が影絵のように映ったのを見つけたのです。
ダイドコで女の子たちがポ~ンポ~ンと軽やかに紙フウセンを突いて遊んでいるので、「アタシ も エッショ の仲間に エンテ クンネカネ」と一緒になって遊ぶのです。
紙フウセンの遊び方はとくにルールがなくて、交互に手のひらやコウでついて地面に落とさないように優雅に遊ぶのです。
紙フウセンの小さな穴に、女の子がかわいい口をすぼめてふくらますと、なかに細かく切った色とりどりの紙きれが入っているのです。
紙フウセンは突いて空中に舞い上がるたびに、裸電球のあかりを逆光に受けるなかの紙きれはチョウチョウや小鳥が、紙フウセンのなかで飛んでいるように透けて見えるのです。
女の子たちは天井を見上げて、言葉少なく夢心地に何かの思いを持ってメルヘンの世界で遊ぶ紙フウセンは、家庭配置薬の入れ替えに来る薬売りのオジサンにもらったものなのです。

昔からあるお手玉は、着物をほぐした色鮮やかな布きれを袋に縫って、小豆や大豆とか数珠玉を入れて縫い合わせ、小さな玉状にしたのが女の子の遊び道具なのです。
お手玉の遊びかたは、キチンと正座をしていろいろなリズムの歌にあわせて、「アンタガタ ドコサ  ヒゴサ ヒゴドコサ クマモトサ ~」何個かを手に持って、順々に空中に投げ上げ受けとめて遊ぶのです。
器用に左手で受けて右手に移して素早くまた上へ、空中のお手玉を二つ三つと多くしてスピードを競うのです。

女の子にはなじみの深い遊びのアヤトリは、一本の毛糸を端と端を結んで輪にしたものを両手の親指と小指にかけた三本の指を使い、かけたりはずしたりでいろいろな物の形をつくる遊びなのです。
作る形にはホウキ ハシゴ 富士山、東京タワー、舟、などがあって、交互に受けとりながらアイデアをこらす指先の長い女の子ならではの遊びで、高度なワザになると口や足の指に肘と膝を使うこともあるのです
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