~団塊世代が育った里山から~
里山の多くの人々はツケ物で白いご飯を大量に食べるので、ビタミンやミネラルの栄養素の不足が原因で発症して死亡する病気に、カッケと結核があって治すことが困難な二大国民病なのです。
死亡する人が多いカッケにかかる原因はビタミンB一が不足して発症する病気なのですが、貧しくて医者へ行かず重症になると、心臓の動きが悪くなって血液の拍出量低下になるのです。
その結果が心不全を発症して心臓肥大を伴い、少しの動きでも胸苦しくなって寝たきりになるのです。
結核という病気は、結核菌が人から人に感染することで肺に炎症をおこす感染症なのですが、栄養状態が悪く体力のない働き盛りの人たちへ簡単に感染するのです。
肺結核の症状は発熱がでてセキが止まらずタンがからんで、疲労ケン怠感に食欲がなくなって体重が極度に減少するのです。
結核菌に感染してから症状が良くなったように見えても、じつは悪化していて本人が気づかないで周囲の人々に感染を広げるのです。
里山には重症の肺結核患者を隔離して入院をさせる施設が少なく、普段の暮らしのなかで人と接触する保菌者から結核菌はセキやクシャミで飛び散り空気感染をするのです。
家族のなかで肺結核患者が出ても貧しさで病院にいかないで、ふせっている家にはだれもが感染が怖くて訪問する人がいなくなるのです。
健康だった頃の若い二人が恋仲で幸せなえん組の話が決まっていても、肺結核にかかると親や親族から病を理由に断る悲しい話もあるのです。
多くの人は結核菌に感染してもすぐに発病しないで、体内で冬眠状態に入って健康な体のまま留まるので、以前に結核菌を吸い込んだ人が何らかの要因で体の抵抗力が落ちてしまい、体内に潜んでいた結核菌が活動を始めて発病したのに気付かずにいる場合が多いのです。
普段通りの生活をしていて空気中に結核菌を飛び散らかし、自分は知らずに人へ感染させているかもしれないのです。
半年毎に回ってくる富山の薬売りは配置薬を販売する行商人で、地区のお得意様に泊めてもらいながら商いをするのです。
大きくて四角い柳こうりを、濃紺唐草模様の風呂敷に包んで両端を胸元に結んで背負い、柳こうりが歩いているように街道をテクテクとやってくるのです。
泊まりでお世話になる個人の家では渋茶をすすり自慢のツケ物をごちそうになりながら、よその村や町であった話をして家族を楽しませてくれ、なかには浄瑠璃や浪花節を習っている人が居て主人とお酒をのみながら演じることも大切な仕事のひとつで、娯楽と情報の少ない里山ではお互いに都合がいいのです。
仕切りでわかれたひと箱ごとに風邪薬や腹痛に頭痛の薬などがイッパイに入っていて、家に置いた厚紙の配置箱に薬売りの屋号が入っているのです。
陽のあたる当たるデンジモト「縁側」にドカッと大きな柳こうりを置いて、カケ場帳を片手にしてソロバンを弾きながらノンビリと世間話をするのです。
配置箱のなかに薬の補充と入れ替えをして、使った分を現金で支払うと和紙を何枚もとじたカケ場帳に書き込んで、「それじゃ~半年後にお伺いします」と次のお得意様へ向かうのです。
配置箱に収めた薬のなかでも、ケロリン 六神丸 トンプク 熊のイ ノーシンなどはちょっとした具合の悪い時に重宝するのです。