あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
私は、国崎君と二人でプリントアウトした、企画書を机の上に並べて見ていた。
「あのさあ、いい加減降参しろって。あきらめも肝心だって」
「やだ」私は
帰りがけに出した企画書は、どれも5分だけ検討されて課長に却下された。
「どうしてこれじゃダメなのよ」
腕を組んで考える。
『組織に求められる自分の役割』
『自身のキャリアについて考える』
『ワークライフバランスの実現を考える 』
このほかにもいろいろある。どれも、定番でなじみがある。
だいたいが、20代から30代向けの女性がターゲットだ。
「逆によくこれで、OKもらおうとうとしたよなって内容だろう」
私は、面白くないっていう態度を示すために、顔をしかめて見せた。
「なに、その言い方。全面的に、課長の肩を持つ気?」
「そうじゃなくて、当然そういう批判を受けること考えとくべきだろう?」
「すみませんね。考えが至らなくて。でもね、こういう研修は一度は需要があるんだから。一度は受けておいた方がいいと思うけど。何も考えなくても働ける男性と違って」
「おい、そんなに怒るなよ。俺は、ただ自分の意見を言っただけだって」
「ごめん」
国崎君、私に付き合ってくれてるのだ。
定時まで粘って、頑張ったけど、中々まとまらなかった。
煮詰まった挙句、会社の近くの喫茶店で何か食べようと会社を出ることにした。
「腹減ってるなら、プリンでも食えばいいだろ」
「なんで、お腹すいてるのにプリンなんか食べるのよ。今日はちゃんと食べるよ」
「ああ、何でもいいから、なんか食って機嫌直せ。そうしろよ」