あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ


「誰?」って言われてたような気がする。

入り口から離れていたから、姿がよく見えなかった。

「そこで何やってるの?」
微かにそう聞こえた気がする。

辺りを見回したけど、声が小さくて、よく聞こえない。

「誰?そこで何やってるの?」
もう一度聞こえた。

今度は、誰かが、フロアにいるのに気がわかった。

物静かな言い方だけど、あまり歓迎してくれてない声だ。


少し離れた窓際の方から声が聞こえて来たので、私は、そちらを見る。

メガネをかけた男性が、作業を中断してこっちを見ていた。

しまった。光の加減で見えなかったけど、結構近くにいる。

「あっ、えっと……」

声の調子は穏やかだけど、目つきは鋭い。警戒されてると思った。

「君は、ここで何してるのかって聞いてるんだけど?」


< 18 / 240 >

この作品をシェア

pagetop