あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ


私も、彼のそばに行き、カウンターの丸い椅子に腰かける。

椅子と椅子の間隔が狭く、お互いの肘が当たるくらいの距離。
それがとても心地いい。

「いらっしゃい。呼び立てて悪かったね」

「ええっ?」
まただ。
社長の声がするのに、店の中には私達以外の客はいない。
私は、振り返って客席の方を見る。

「希海、こっちだって」
裕二さんが腕を引いて、前を向かせた。

「ああっ」
私の目の前に、社長がいた。
カウンターに入って、エプロンをつけている。

「ど、ど、どうしたんですか?」
驚いて、声が裏返った。
< 234 / 240 >

この作品をシェア

pagetop