陰にて光咲く
さおりは立ち上がり、俺に背を向けて立った。
「ねえ拓夢。拓夢は私とアズマ君、どっちが大切?」
「え…?」
答えないままでいると、さおりは振り向いてにっこり笑った。
「もちろん私の方が大切だよね?だって言ってくれたもん。拓夢はアズマ君から私を守ってくれるって」
「いや、だからアズマは…」
「だからあんな男どーでもいいって言ってるでしょ‼︎」
急に荒々しくなるさおりの声。
さおりの本性が現れた。そう言ってもいい。
「あいつはずっとあたし達の邪魔をしてきたの。あの男のせいで…あたしの人生はめちゃくちゃよ‼︎」
いったい何を言ってるんだ。
唖然としていると、さおりが低い声で早口で話始めた。
「あれは確か拓夢とつき合う1ヶ月前のことだった。
私、毎日毎日拓夢のことばかり見てたの。
大学でも、バイト中の拓夢もいつでもどこでもずっと見てた。
見てるだけでとても幸せな気持ちになれたの」
ノートに書かれていたことが蘇ってきた。