夜の甘やかな野望


「お見舞い?」

「ええ、ちょうどたーちゃんが眠っていたから、莉奈さんが受け取ってくださったの。
 お金なので、お母様にお渡ししておきますって」


自分で“お母様”の単語に嬉しそうに反応している。


「ええと、事務長かな?」

「さあ、どなたかしら?
 そこまでは伺わなかったわ」


無邪気な母親に宗忠はただ笑いを浮かべた。


事務長じゃない感じがする。


そして自分は大学の方からお見舞いがあったなんて、莉奈から一言も聞いていない。


「脇があめーよな、色々と」


宗雅が身を乗り出してクッキーを取りながら、しらっと言う。


ぐっときたがその通りなので反論できない。
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