夜の甘やかな野望


「は?
 保健管理室から呼び出し?」


給湯室から戻ってきた倫子は先輩からの伝言を聞き返した。


「うん。
 この間の健康診断で悪いところあったの?」

「いやー、バリバリに健康体だと思うんですけど」

「たしかにー。
 その若さだったらだよねえ」


うらやましいと呟いている。


「ええと、じゃあちょっと行ってきます」

「は~い。
 ごゆっくり」


なんですか、それ。


倫子は心の中で先輩をディスりながら、事務室を出ると建物も出る。


保健管理室は事務棟とは別棟だ。


新緑がまぶしい並木道を歩くと、ちょっと塞ぎ気味だった気持ちが晴れる。

< 119 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop