夜の甘やかな野望
「思ってませんよ」
ぼそりと告げる。
「言葉、弱いじゃない?」
「思ってませんって。
ヘタレだったら、人の命に真摯に向き合うために、立ち返らないと思うんで。
ただ親の希望で医者になって、お金を稼ぐってことと、女にもてて遊びまくりってことで終わりそうだし」
奇妙な沈黙になった。
「あ~」
「そこで納得したような声を出さない。
ってか、人を指で差しちゃいけません」
宗雅は倫子の指をぐっとつかんだ。
「嘘ですよ」
倫子はくすくすと笑った。