夜の甘やかな野望
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結局、宗忠は地方都市の総合病院に勤められることになった。
今まで勤めていた病院の先輩医師が、恩師がいると口を利いてくれたのだ。
倫子の家からだと、高速を使って2時間ぐらいだ。
勤務シフトが厳しくなったらしいが、それでも休みの日は欠かさず倫子の家に帰ってきた。
必ずしも週末ではないので、倫子が仕事の日もあり、一緒に過ごせるのが数時間ということもあった。
「そうかもしれないけど、倫子さんに会いたいし」
体が大変だと思って、倫子が無理しなくていいと言うと、宗忠はにっこり笑って言った。
「倫子さんは迷惑?」
「そ、んなことあるわけ・・」
恥ずかしくて語尾が口の中で絡まると、見抜いた宗忠が“倫子さん、かわい~”と言って抱きしめる。