夜の甘やかな野望


    *


村から提供を受けた家で、引越しの荷物を整理していた。


開け離れた窓から、低音の車の排気音が聞こえてきた。


真っ黒なスポーツカーが庭に入ってくる。


大蛇(オロチ)だ。


「よお」


運転席のドアが開いて、兄が現れた。


「ん」


宗忠は軽く挨拶をする。


「引っ越し祝い」


宗雅は縁側にシャンパンのボトルを置いた。

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