夜の甘やかな野望
「レトロでいいな」
部屋を見回しての感想だ。
「でしょ?」
宗忠は陽気に返した。
「なんか色々と迷惑をかけてるね。
ごめん」
宗忠は冷蔵庫から麦茶のペットボトルを出すと、グラスに注いで手渡す。
宗雅が父親を取り直してくれているのを知っている。
母親をなだめていることも。
でなかったら、あの母親は父親に対して、意図なく強烈な破壊力を発揮し、宗忠の所に駆け込んでくるはずだ。
無意識ってか無自覚っていうのは、つくづく恐ろしい。
「まあ・・、おまえはマシ」
ややため息交じりに宗雅は返した。
どういう比較だ。