夜の甘やかな野望


「ん?倫子さんのこと待っていたから、ほっとけない」


はあ?


思わず視線をむけると、宗忠はにっこりと笑った。


「口止めですか?」

「なにを?
 倫子さんの思考、読めないなあ」

「読まないでください。
 で?ご用件は?」

「前にランチしたとき、コース料理は今度ねって約束したから、どうかと思っていたんだけど・・・」


社交辞令を実行に移すとは予想外だ。


「いや・・・先生。
 大丈夫です」

「大丈夫って、何が?」


にっこりとまた笑うが、なんか様子が違う。


黒い。


天使の本質は獰猛だったって感じ。


牙があり、爪は鋭い。
< 52 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop