夜の甘やかな野望
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宗忠は倫子の理性と思考を存分に崩してから、くちびるを離した。
「さあ、行こう」
片腕で倫子の腰を救い上げて立たせると、そのまま歩き出す。
宗忠は腕に倫子の体重が素直に預けられるのに愉快になりながら、もう片腕の指でくちびるに移ったグロスをぬぐう。
楽しい夜になりそう。
宗忠の口端に微笑が浮かんだ。
地下に停めてある車に倫子を押し込み、5分ほど離れた自分のマンションに戻ると、降りる前にもう一度くちびるに毒を注ぐ。
自分のキスが下手だとは思っていないけど、ここまでトロトロになってしまうと嬉しくなる。
面白くて、エレベータの中でも仕掛けた。