夜の甘やかな野望
毎日のように、あの男が来てたってこと?
じゃなきゃ、こんなにビールの缶は溜まらない。
来て、酒を飲んで、それだけとはありえない、から。
宗忠はこめかみにぴきっと青筋が立った感触がした。
自分にも何人もお友達がいるから、とやかく言える立場ではない。
倫子にもお友達がいたってお互い様だ。
とやかく言えない、のに。
「帰るね」
宗忠はくるりときびすをかえすと、玄関に戻って靴を履く。
「ごめんね。
またね」
何か言いかける倫子に隙を与えず、振り切るようにして外に出た。
車の運転席に納まって、息を吐く。
危うく冷静さが崩壊するところだった。