夜の甘やかな野望
「住んでる」
瞬きをしてから、碧を見た。
碧はその視線に居心地悪そうに肩を小さくした。
「ロンドンから帰ってきたばかりだから、とりあえず住む所が見付かるまで。
それに碧さん、働いているから、ここにいれば家事が軽減できるし」
確かに掃除洗濯に料理まで、お手伝いさんがいる。
「仕事、みつかってよかったですね」
碧に笑いかけると、嬉しそうに笑い返してくれた。
おおっと。
この義理の姉が笑ったのを見るのは、3回目ぐらいかも。
ロンドンでの結婚式でも笑っていなかった。
「でも、早く転職してほしいけど」
宗雅が毒を含んだ口調で言うと、さっさと行ってしまった。