夜の甘やかな野望


一緒に育っているから、あまり気にしたことが無かったが、第3者的に観察すると、女子が堕ちるよなあと納得する。


か、怖気づいて逃げ出すか。


逃げ出そうとしたのに、喰われちゃったんだろうな。


宗忠にコーヒを差し出してくれた、碧の顔を同情の眼差しで見た。


逃げ出す分類には手を出さない人だったのに、と改めて兄の方を見る。


「碧さんは特別」


さっきの淡々とした様子とは打って変わって、宗雅はぼそりと弱気な調子だ。


突然な言葉に碧は訳が分からないように、夫をみつめた。


「あそっ」


のろけと捉えた宗忠は投げやりに答えた。


「おまえも逃がせないんじゃない?」


急におかしそうに口元で微笑を作った。
< 89 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop