暴走族に恋をする。



「桜子ちゃん。」


そして、彼が呼ぶ私の名前が、いつの間にか大好きになっていた。

日本人みんなに愛される花と同じ名前で負い目を感じていたのに、
この人が呼ぶとその名前にも花が咲く。


「なんですか?」


「呼んでみただけ~」


無邪気に、可愛く甘く私を呼ぶ大津くんが好きだ。


「あの…」


「ん?」


「………私も、名前で読んでいいですか?」


「え!?も、もちろん!!」


「では、これから快斗くんと呼びます。」


「やだ。呼び捨てで呼んで。」


「え…で、では快斗と…」


………これはかなりの難易度の高さだ…
涼介以外で男性の名前を呼び捨てにするのは初めてだ…


「でも、なんで急に?」


「…いい名前だな、と思ったからです。
快斗…性格と名前がぴったりですよね。
きっと、広い心を持ったまっすぐな少年になってほしいと名付けたのでしょうね。」


「え、そうなの?」


「快という字には"さっぱりした"や"こころよい"などの意味があり
子供につけるときには心のきれいな…という意味で付けられる方がいるそうです。

そして斗には北斗七星のイメージから、壮大、広い心という意味をもって名付ける人が多いそうです。

最初は全然名前と性格が一致しない人だなと思っていたんです。
でも、あなたのことを知れば知るほど、名前との印象がピッタリで…いい名前だと思ったんです。」


もちろん、心の汚い部分もあるのは知ってる。
それでも、きれいな部分があることも私は知ったから。



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