暴走族に恋をする。



「……速水…」


そこには敵対してる族の幹部が一人立っていて、その声が聞こえた瞬間、蓮は桜子ちゃんを抱き締め、顔を隠した。


「へー、その子が噂の彼女か。」


……顔を隠したのはいいんだけど

なんで抱き締めるんだよ。俺の彼女なんだけど。


「……それがなんだよ。」


「別にー?
ただ黒崎の彼女はかなり地味だって聞いてたけど、その噂は本当みたいだな。
そのスカートの長さ…」


そういって桜子ちゃんをバカにした速水にさらにイライラして


「快斗!」


俺はいつの間にか、速水の胸ぐらを掴んでいた。


「快斗、やめろ。
こいついんだろ。」


……桜子ちゃんを守るため、か。


「……へー、そんなにその女が大事なのか。
大津が手を離すなんてよっぽどだもんな。

ま、今日は腹減ってるしこのまま帰ってやるけど
次は顔くらい見せてよね、彼女。」


速水はそういって、歩いて暗闇に消えた。
それを確認して、蓮も桜子ちゃんを離した。


「…人の彼女に手出してんじゃねーよ。」


「別に快斗の彼女に手を出してねーよ。
快斗が俺の利用してる女を彼女にしたからだろ。」


「は?なんだよそれ。」


「やめてください。」


今度はいがみ合う俺らを、桜子ちゃんが止めた。



< 133 / 344 >

この作品をシェア

pagetop