暴走族に恋をする。



「だからって、そんな簡単に身を引いていいのかよ。
その程度だったのかよ。」


「ちがう!
……でも、快斗がそれを望むなら仕方ないじゃん。
私に、快斗を縛り付ける権利はないから。

本当はすごく後悔してるのかもしれない。私を庇ったこと。
私を庇わなければ快斗は痛い思いをしなくて済んだんだよ。
もし私のことが最初から大して好きじゃなかったなら、快斗がしてくれたことに対して私はどうすればいいの?
学校に行くことも奪って、大好きなバイクのために通ってた教習所もお休みすることになって…

私はどうすればいいの!?

……それなら、私は快斗の願いを聞き入れるだけだよ。
これ以上、邪魔なんてできない。」


あれが快斗の最後の願いなら、私はそれに応えるしかないんだよ…


「……いいから来い。」


「ちょ…「黙ってついてこい。」


初めて見る怖いゆっきーさんに、私はなにも言い返せなくなってしまっていた。


そのまま歩かされ、ついたのはやはり快斗が入院している病院だった。


「待っ…
…会えない。会えないよ。」


「別に会えなんていってない。
ただ…あいつの気持ちはちゃんとわかってやれ。」


ゆっきーさんはそういって、また私の腕を引っ張り病院の中へと連れていった。


……でも、向かう先はエレベーターではなく…


「リハビリ、ステーション?」


病院一回にある一角だった。


「ここから見てみ。」


そう言われ、私はゆっきーさんの位置に行き、ゆっきーさんの視線を追った。


「……快斗…」


そこにはやはり、愛しい愛しい快斗の姿。
すごく痛そうな、苦しそうな表情をしながら、掴まりながら立っていた。

すぐ近くにはこの前の理学療法士さんと…黒崎くんたち。


「いっ…!」


すごく痛そうな表情をして崩れ落ちそうになった快斗を、理学療法士さんが受け止めた。


「ほら、立てよ快斗。
そんなんじゃ桜子守れないぞー。」


「早くしないと誰かに取られるぞー。」


「……るせぇ!わかってるわ!!」


えっ…え…?



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