暴走族に恋をする。



「…腓骨神経麻痺、なんだってさ。」


……ひこつ、しんけいまひ…?


「よく、ずっと正座してると足がしびれるだろ。
それはその神経が圧迫されて、一時的に神経が麻痺してる。
力が入らなくて、うまく足を動かすことができなかったりもするだろ。

快斗はそれなんだとさ。
快斗はその神経を切断、されてたらしくて

麻酔が切れても全然自由に動かせないんだと。」


「え…事故で、だよね?」


「そう。
怪我した左足だけだけどな。
……それな、圧迫されただけとか傷がついただけとか、まぁいろんなパターンがあるけど、重症化することはほとんどないらしい。

……だけど快斗は派手に怪我したからそういうわけにもいかなくて、もしかしたら一生杖なしでは歩けないかもしれないんだ。」


「えっ…嘘…」


「俺は嘘はつかねーよ。
……でな、あいつ言ったんだよ。

"こんな俺じゃ桜子を守れないから"って。
"それに、足のことを知ったらきっとまた責任を感じる。
やっとお兄さんのことで解放されたのに、また俺のせいで責任を感じる。
それがすごい嫌なんだ"って…

あいつはあいつなりに、桜子のことを考えてんだよ。

俺は桜子はそんなこと気にしないって言ったんだけど…快斗は俺が気にするから、って…」


「……そっか。それで昨日わざとあんなことしたんだ…」


「ごめんな、なにも言えなくて。」


「……ううん。ゆっきーさんが謝ることじゃないから。」


謝るのは、私の方だよ。
あんなに信じてきた人なのに、どうして私は疑ってしまったんだろう。



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