暴走族に恋をする。



「……でも、あいつは治す気でいる。
ちゃんと一人で歩けるようになって、ちゃんと桜子を守れるようになったら桜子に話す、って言ってた。

だから今の原動力は桜子だよ。

昨日はまだ自分の現実が受け入れられないのかリハビリする気になれなかったみたいだけど
昨日の桜子の言葉がちゃんと快斗にも届いたんだよ。」


「……そっか。」


「だからちゃんとわかっていてやって。
快斗には桜子が必要だと思うしさ。」


「うん。」


なにも変わっていない快斗と
快斗を信じられなかった私

私はずっと快斗を見てきたのに……


「……帰るね。」


「え、帰んの?」


「今行っても、また追い返されるもん。
私は私なりに、ちゃんと論破できるように準備してから出直すよ。」


「はは、桜子らしいな。」


「ムカつくから。」


私はそういって一人で病院を出た。

本当になんにもできなかった私が情けなくて
なにも知らなくて、勝手に幻滅していた私が腹立たしくて

今のままの私は絶対に嫌だった。


いつまでも守られているのは嫌だ。
私だって、誰かを守れるくらい…支えられるくらい、強くなりたい。


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