次期社長と甘キュン!?お試し結婚
 さらには「なにがあったの!?」なんて心配されたり、「本当に三日月さん!?」なんて疑われたり。そこまで言わなくても、なんて思ったがそれでも最終的には、「彼氏でもできたんでしょ?」という質問すりかわり、これには参ってしまった。

 「今週末、同窓会だから」と、当たらずといえども遠からずの回答でなんとかお茶を濁して切り抜けたのだが。

 恐らく、これから会う友人にも同じような反応をされるんだろうな、と思いながら待ち合わせ場所に急いだ。

「いやぁ、それにしても驚いた。今まで同窓会といえば、聞く間でもなく断わりを入れていた晶子が、土壇場になって参加するって言うんだもん。さらに会ってみればその格好。高校の頃から頑なにスタイルを変えなかった晶子が、一体どうしちゃったのかと思えば。婚約者の存在は偉大ね」

 会計を済ませた後、からかうような口調で私の中学時代からの友人である小野頼子(おのよりこ)は改めて私をまじまじと見つめた。

 その笑顔は学生の頃とちっとも変わっていないが、大学のときの先輩と一昨年前に結婚して、今では一児の母である。

 明るくブラウンに染めた髪は短めにカットされ、耳元にはゴールドのピアスが揺れている。恐らく旦那さんからのプレゼントなんだろうな、となんとなく思った。

 久々に再会したとき、彼女は私を二度見して「晶子?」と疑問系で名前を呼んだ。そして、約束どおりホテルのラウンジでアフタヌーンティーを堪能することにする。

 昔話に話が多々脱線しながらも、ここにくるまでの経緯や直人のことを頼子には控えめに説明したのだ。
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