次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「あの、頼子、彼のことは……」

「分かってるって。他言無用なんでしょ? でも今度よかったら会わせてよ。晶子をそこまで変えた彼に興味あるなー」

「で、できれば、ね」

 ひきつった笑顔になってしまうのはしょうがない。どこでうちの会社と繋がりのある人がいるか分からないから、直人のことは内緒にしておかなくては。

 それでも、もしも直人と結婚したら、さすがに関係を隠す必要もなくなるんだろうか。それとも、仕事をするうえでは、やはり直人にとっては、隠し続けた方がいいのだろうか。

 いつか、堂々と直人の隣に立てる日が来るのかな。その考えを振り払い、受付を済ませてから私は頼子に続く形で会場に足を進めた。

 会場はホテルの一室を貸し切り、立食式パーティーのようになっていている。緊張しながらも頼子の後を子どものようについていく。自意識過剰かもしれないが、なんだか自分に集まる視線が怖かった。

「えー、三日月さん?」

「うそ、全然雰囲気違う!」

「久しぶりー」

 案ずるよりも産むが易し、というのはこのことか。久しぶりに会う同級生たちは、朋子のことももちろん話題に出されたりもしたが、大半は普通に近況などの話で盛り上がれた。
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