次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「とりあえず、今はこれだけにしておくよ」
そう言って部屋のドアをノックしたので、私の心臓は、最早なんのせいで早鐘を打っているのか分からない。それでも直人が中に足を進めたので、私は必死で取り繕って続いた。
社長はこの前と同じように大きなベッドから体を起こして、笑顔で我々を迎えてくれた。前に会ったときよりも顔色も、体調も良さそうに感じたので安堵する。
簡単な挨拶をした後、備え付けの椅子に座らせてもらい、まずは社長が直人に仕事の話を聞いてきたので、その報告をする形から話は始まった。
「ところで直人、晶子さんとの結婚話は進んでいるのか?」
話が一段落したところで、社長も察しがついたのか、話題が振られる。
「そのことで今日は報告があって。まだ色々としなくてはならないとこはありますが、彼女と、三日月晶子さんと結婚しようと思います」
さらっと報告された内容に、社長は驚いた顔になった。すぐにその視線は直人から私に向けられる。
「晶子さん、本当にいいのかい?」
てっきり手放しで喜んでくれると思っていたので、この反応に、私はもちろん直人も目を白黒させた。社長の目は深い色を宿し、嘘はおろか、なにもかも見透かすような強い眼差しで私を見据えている。
だから、それに応えるように私は力強く頷いた。
「はい。直人さんと結婚します」
「本当に直人でかまわないのか?」
「そもそも、じいさんが望んだことだろ」
念押ししてくる社長に直人が噛みつく。それでも社長は私から視線を逸らすことがなかったので私は再び口を開いた。
そう言って部屋のドアをノックしたので、私の心臓は、最早なんのせいで早鐘を打っているのか分からない。それでも直人が中に足を進めたので、私は必死で取り繕って続いた。
社長はこの前と同じように大きなベッドから体を起こして、笑顔で我々を迎えてくれた。前に会ったときよりも顔色も、体調も良さそうに感じたので安堵する。
簡単な挨拶をした後、備え付けの椅子に座らせてもらい、まずは社長が直人に仕事の話を聞いてきたので、その報告をする形から話は始まった。
「ところで直人、晶子さんとの結婚話は進んでいるのか?」
話が一段落したところで、社長も察しがついたのか、話題が振られる。
「そのことで今日は報告があって。まだ色々としなくてはならないとこはありますが、彼女と、三日月晶子さんと結婚しようと思います」
さらっと報告された内容に、社長は驚いた顔になった。すぐにその視線は直人から私に向けられる。
「晶子さん、本当にいいのかい?」
てっきり手放しで喜んでくれると思っていたので、この反応に、私はもちろん直人も目を白黒させた。社長の目は深い色を宿し、嘘はおろか、なにもかも見透かすような強い眼差しで私を見据えている。
だから、それに応えるように私は力強く頷いた。
「はい。直人さんと結婚します」
「本当に直人でかまわないのか?」
「そもそも、じいさんが望んだことだろ」
念押ししてくる社長に直人が噛みつく。それでも社長は私から視線を逸らすことがなかったので私は再び口を開いた。