次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「私は、勧められるままに見合いをして、妻と結婚し、子どもは息子一人しか授からなかった。お前の父親だよ。一人だったから余計に、私は息子にすべてを継がせるんだ、と意気込んで必死だった。
今思えば父親というより教育者だった。随分と息苦しい思いをさせたと思うが、当時はそれが自分の、息子のためだと信じて疑わなかった。
そんな息子が成人し、そろそろ結婚を考えるように、なんて言っていたときだ。いきなり「結婚したい人がいる」と女性を連れてきた。
聞けば、彼女は母子家庭でお世辞にも裕福とは言えず、アルバイト先の喫茶店で出会ったらしい。もちろん私は反対した。気づけば、自分が今日子さんと付き合っていたとき、父親にされたのと同じように」
そこで祖母の名前が出て、私はどきっとした。当時のことを詳しくは教えてくれなかったが、おばあちゃんも辛い恋をしたのだろうか。直人はあまり語られることのなかった両親の話に真剣に耳を傾けている。
「息子はかなり抵抗した。「彼女には弱い自分も見せられる、宝木の跡取りではなく、一人の人間として接してくれるんだ」と何度も言われたが、私は聞く耳をもたなかった。相手の女性を必死で説得し、かなりの額のお金を渡した。彼女の母親は病弱だと聞いていたから。
だが、彼女がまさか身籠っているなんて、そのときは知らなかったんだ。息子も知らなかったのだろう。そうやって無理矢理二人を引き離し、息子を私の決めた相手と結婚させた。でも結婚生活は、すぐに破綻し、彼女に子どもがいることを知った息子は、さっさと離婚して彼女のもとに行ってしまったよ」
今思えば父親というより教育者だった。随分と息苦しい思いをさせたと思うが、当時はそれが自分の、息子のためだと信じて疑わなかった。
そんな息子が成人し、そろそろ結婚を考えるように、なんて言っていたときだ。いきなり「結婚したい人がいる」と女性を連れてきた。
聞けば、彼女は母子家庭でお世辞にも裕福とは言えず、アルバイト先の喫茶店で出会ったらしい。もちろん私は反対した。気づけば、自分が今日子さんと付き合っていたとき、父親にされたのと同じように」
そこで祖母の名前が出て、私はどきっとした。当時のことを詳しくは教えてくれなかったが、おばあちゃんも辛い恋をしたのだろうか。直人はあまり語られることのなかった両親の話に真剣に耳を傾けている。
「息子はかなり抵抗した。「彼女には弱い自分も見せられる、宝木の跡取りではなく、一人の人間として接してくれるんだ」と何度も言われたが、私は聞く耳をもたなかった。相手の女性を必死で説得し、かなりの額のお金を渡した。彼女の母親は病弱だと聞いていたから。
だが、彼女がまさか身籠っているなんて、そのときは知らなかったんだ。息子も知らなかったのだろう。そうやって無理矢理二人を引き離し、息子を私の決めた相手と結婚させた。でも結婚生活は、すぐに破綻し、彼女に子どもがいることを知った息子は、さっさと離婚して彼女のもとに行ってしまったよ」