次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「晶子には通じないみたいだけど」
急に自分に話が振られて、私は焦った。彼はおかしそうに、まさか駄目出しされるとは思ってもみなかった、と笑っている。
しかし私は笑えない。たしかに、彼もひどかったが、私も彼のそういう事情も知らずに、随分と不躾なことを言ってしまった。彼はソファから身を起こし、体もこちらに向ける。
「だから、晶子の出した条件をクリアするために、どうしたもんかと考えあぐねてる」
いよいよ私は返答に困ってしまった。今更ながら、とんでもない条件を出したものだ。なんたって、私自身もどうしたらいいか分からないのに。
「ごめん」
申し訳なくなって頭を下げたままでいると、彼が頭に手を乗せてきた。
「謝らなくていいから、少しヒントをくれないか?」
ヒント。私は懸命に考えを巡らせる。どうすれば彼のことを好きになれるんだろうか。彼のことをもっと知って、彼ともっと話して、それから――
「……時間があるときでいいから、無理しない程度に、また映画を一緒に観てくれる?」
もっと彼のことを知らなくては、彼と話さなくては。でも、その前に彼と一緒に過ごす時間をもっと増やしたい。なにをしたらいいのかは見当がつかないから、せめてこんな風に。それは純粋な欲求だった。
今日は一緒に映画を観て、直人のことをまた少し知れた。素顔を見ることができた。それが自分でも思う以上に、すごく嬉しくて。
こんなのがヒントと呼べるのかは、分からない。彼の求めている答えとは違うかもしれない。
「分かった。晶子の好きな映画を見て、どうやって口説けばいいのか勉強するよ」
けれども、直人は苦笑しながら、そう言って私の頭を優しく撫でてくれた。
急に自分に話が振られて、私は焦った。彼はおかしそうに、まさか駄目出しされるとは思ってもみなかった、と笑っている。
しかし私は笑えない。たしかに、彼もひどかったが、私も彼のそういう事情も知らずに、随分と不躾なことを言ってしまった。彼はソファから身を起こし、体もこちらに向ける。
「だから、晶子の出した条件をクリアするために、どうしたもんかと考えあぐねてる」
いよいよ私は返答に困ってしまった。今更ながら、とんでもない条件を出したものだ。なんたって、私自身もどうしたらいいか分からないのに。
「ごめん」
申し訳なくなって頭を下げたままでいると、彼が頭に手を乗せてきた。
「謝らなくていいから、少しヒントをくれないか?」
ヒント。私は懸命に考えを巡らせる。どうすれば彼のことを好きになれるんだろうか。彼のことをもっと知って、彼ともっと話して、それから――
「……時間があるときでいいから、無理しない程度に、また映画を一緒に観てくれる?」
もっと彼のことを知らなくては、彼と話さなくては。でも、その前に彼と一緒に過ごす時間をもっと増やしたい。なにをしたらいいのかは見当がつかないから、せめてこんな風に。それは純粋な欲求だった。
今日は一緒に映画を観て、直人のことをまた少し知れた。素顔を見ることができた。それが自分でも思う以上に、すごく嬉しくて。
こんなのがヒントと呼べるのかは、分からない。彼の求めている答えとは違うかもしれない。
「分かった。晶子の好きな映画を見て、どうやって口説けばいいのか勉強するよ」
けれども、直人は苦笑しながら、そう言って私の頭を優しく撫でてくれた。