次期社長と甘キュン!?お試し結婚
 この前の一件も無事に片付き、今日は早めに帰って来れた。私は早速一人で映画鑑賞会を開催することにする。そして物語りも中盤に差しかかろうとしていたとき、突然、明るくなった部屋のおかげで目が眩んだ。

「なるほど、そうやって目が悪くなったわけだ」

「おかえり」

 眼鏡のレンズに触れないように、手で目元に影を作る。そのまま声のした方に視線をやれば、直人が呆れたような顔でこちらを見ていた。DVDを一時停止させると、直人はゆっくりとこちらに近づいてくる。

「今日はなにを観ているんだ?」

 私は体を捻るようにしてそちらを向くと、直人はネクタイを緩めていた。その何気ない仕草ひとつ、なかなか画(え)になると思う。じっと見つめていると目が合ったので、私は慌てて映画のタイトルを告げた。

 今、見てるのは実際に起きたアフリカでの内紛を基に、そこで実在した人物を主役として描いている。実際、映画館に見に行った作品で、紛争の事実もニュースなどでよく聞いた。

 そんなことも含め、聞かれてもいないのに軽く内容も説明する。内容を聞いて、直人はなんとも言えない表情になった。

「晶子は、そういう社会派系の映画が好きなんだな」

 その感想を私はどんな風に受け取っていいのか分からない。もちろんラブストーリーもコメディも好きだが、私が特に好んで見る映画のジャンルは、こういった史実半ばの社会派作品が多かったりする。
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