次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「ここ最近、どうした? ずっと部屋にこもって。調子でも悪いのか?」
作りおきのアイスティーをグラスに注ぐ私に直人は続ける。透明のグラスに茶色い液体が満たされていくことに視線を集中させた。
「そんなことないよ、もうすぐ試験が近いから。心配させてごめんね」
そこでようやく私は笑顔を作って直人の方を向いた。グラスを持って、飲む? と尋ねると直人はいや、と小さく首を横に振った。なので私がグラスに口づける。
「なにかあるんだったら」
「そんなのないって。直人こそ忙しいんでしょ? 人のことより自分の体の心配をしなよ。私のことなんて気にしなくていいから」
そこで一度、言葉を区切る。大丈夫だ、ちゃんと分かっている。
「心配しなくても、ちゃんと直人との結婚は考えてるから」
そう言うと、少しだけ直人が驚いた顔をした。そしてその場から、逃げるようにグラスを持って自室に逃げ込む。
なにも嘘はついていないはずなのに、なんだか罪悪感がじわじわと襲ってくる。でも今は、必要以上に優しくしないでほしい。
まだ混乱しているが、自分の中で、きちんと折り合いをつけてみせる。こんなこと今までだってたくさんあった。だからできる。前向きに物事を考えられるのが、私の唯一の強みではないか。
そこに愛し合うとか、そういうものがなくたって、彼が望んだように、私たちは結婚する。でも、もう少しだけ時間がほしい。私だって、なにもかもを受け止められるほど心も広くないし、できた人間でもないのだから。
作りおきのアイスティーをグラスに注ぐ私に直人は続ける。透明のグラスに茶色い液体が満たされていくことに視線を集中させた。
「そんなことないよ、もうすぐ試験が近いから。心配させてごめんね」
そこでようやく私は笑顔を作って直人の方を向いた。グラスを持って、飲む? と尋ねると直人はいや、と小さく首を横に振った。なので私がグラスに口づける。
「なにかあるんだったら」
「そんなのないって。直人こそ忙しいんでしょ? 人のことより自分の体の心配をしなよ。私のことなんて気にしなくていいから」
そこで一度、言葉を区切る。大丈夫だ、ちゃんと分かっている。
「心配しなくても、ちゃんと直人との結婚は考えてるから」
そう言うと、少しだけ直人が驚いた顔をした。そしてその場から、逃げるようにグラスを持って自室に逃げ込む。
なにも嘘はついていないはずなのに、なんだか罪悪感がじわじわと襲ってくる。でも今は、必要以上に優しくしないでほしい。
まだ混乱しているが、自分の中で、きちんと折り合いをつけてみせる。こんなこと今までだってたくさんあった。だからできる。前向きに物事を考えられるのが、私の唯一の強みではないか。
そこに愛し合うとか、そういうものがなくたって、彼が望んだように、私たちは結婚する。でも、もう少しだけ時間がほしい。私だって、なにもかもを受け止められるほど心も広くないし、できた人間でもないのだから。