次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「今日は突然ごめんね。本当にありがとう」
「いいけど、その代わり今度なんか奢れよ」
「そうだね、また連絡して」
思えば、航平と会うのはおばあちゃんの法事以来だ。小さい頃は、それこそ朋子や彼の兄も一緒に頻繁に会ってよく遊んだのに。
これもなにかの縁かな、なんて思っていると、車のドアが開く音がした。見れば私ではなく運転席のドアが開けられていた。
「部屋まで送っていく」
目を丸くしていると端的に説明され、私は焦った。
「え、そこまでしなくてもいいよ」
「そんなフラフラでなに言ってんだよ。なら下まで婚約者を呼び出せ」
「それは」
さすがに躊躇われた。なんたって直人が帰ってきているかも分からないし、いたとして、わざわざ迎えに降りてきてもらうなんてできない。
しかし航平も頑として譲らないので、もうここまできたら甘えることにする。我々はエントランスに向かって歩みはじめた。
「本当にいいところに住んでるんだな」
エレベーターに乗ったところで、水から上がって空気を吸うかのごとく、航平は声を発した。マンションに足を踏み入れてから言葉と共に息も止めていたようだ。
「航平、単に興味本位でついてきたんじゃない?」
ジロリと睨みを利かしたが、航平はまったく気にせずにきょろきょろと辺りを見回している。ドアの前について、カードキーを差し込んだところで、私は彼の方を向いた。
「いいけど、その代わり今度なんか奢れよ」
「そうだね、また連絡して」
思えば、航平と会うのはおばあちゃんの法事以来だ。小さい頃は、それこそ朋子や彼の兄も一緒に頻繁に会ってよく遊んだのに。
これもなにかの縁かな、なんて思っていると、車のドアが開く音がした。見れば私ではなく運転席のドアが開けられていた。
「部屋まで送っていく」
目を丸くしていると端的に説明され、私は焦った。
「え、そこまでしなくてもいいよ」
「そんなフラフラでなに言ってんだよ。なら下まで婚約者を呼び出せ」
「それは」
さすがに躊躇われた。なんたって直人が帰ってきているかも分からないし、いたとして、わざわざ迎えに降りてきてもらうなんてできない。
しかし航平も頑として譲らないので、もうここまできたら甘えることにする。我々はエントランスに向かって歩みはじめた。
「本当にいいところに住んでるんだな」
エレベーターに乗ったところで、水から上がって空気を吸うかのごとく、航平は声を発した。マンションに足を踏み入れてから言葉と共に息も止めていたようだ。
「航平、単に興味本位でついてきたんじゃない?」
ジロリと睨みを利かしたが、航平はまったく気にせずにきょろきょろと辺りを見回している。ドアの前について、カードキーを差し込んだところで、私は彼の方を向いた。