君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
「1クラス分だけじゃないからね……」
とにかく早く終わらせて結衣を雑用から解放しなければ。
早く家に帰ってゆっくりしたいに決まってる。
雑談をしつつも手早く作業を進めていく。
何回も同じ作業をしていれば慣れてくるもので、後半は2人共格段にスピードが速くなっていた。
「……はい、最後の一部完成!」
「終わったー。結衣のおかげだよ」
「いえいえ。これを職員室に運んでくんだよね?」
「それは私がやるからもう大丈夫。これくらいなら1人でも持っていけるから」
「えー本当に?」
「早く家に帰って録画したドラマ見るんでしょ?楽しみにしてたって言ってたじゃん」
結衣は『そうだけど……』とまだ決めかねているみたいだ。
手伝ってくれただけでもいいのに、ちゃんと最後までやろうとするのが結衣の性格。
「ほーら、早く行きなって。また明日ね!」
「じゃあお言葉に甘えて。日直お疲れ」
「はーい」
結衣は楽しみにしていたドラマが待っているからか、上機嫌で教室を出ていった。