君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
「失礼します」
「おー!森野に永瀬、こっちまで持ってきてくれ」
先生の机まで運んでドサリ、と置いた。
机には資料が散乱していて、資料の用意をするよりこっちを先に片づけるべきなんじゃないかって気がする。
「いやー助かったよ2人共!」
「なんとか終わりましたよ」
「手伝った分、今週やる小テスト俺と森野さん免除で」
「永瀬、それはあきらめろ」
「えー」
「えーじゃない!」
ていうか、伊織君頭いいんだから免除されようがされまいがあんまり関係ないと思うよ。
「悪いが交渉決裂だ。よい子は早く帰りなさい」
「じゃあせめて問題簡単にしてください。これなら皆平等。ね?森野さんもそう思わない?」
「私も簡単にしていただけると嬉しいなー、なんて」
「分かった、考えておこう」
それはありがたい。先生に約束ですよと言って職員室から出てもと来た道を戻る。
「伊織君、運んでくれて本当にありがとう」
「いいって」
「このあと教室に戻る?」
「戻るよ。鞄置きっぱなしだし」
「私も」
「じゃあ一緒に行こ」