ガラクタ♂♀狂想曲
それに引き換えデンちゃんは違う。
家の援助を受けながらではあるけれど、ちゃんと学生生活をこなし、バイトで小遣いもある。それにデンちゃんには私と出会ったとき、つまり最初から好きな人がいる。
肩入れすることもないだろうし、進展があることもない。
あんなことがあって、お酒に逃げ酔い潰れた私がデンちゃんへ電話しなければ、ただの通行人Aにも満たない存在だったんだから。
だけどそれからはじまった、私たち。
居心地は……、まあ悪くない。
ぼんやりそんなことを考えていると、ベッドサイドにあるデンちゃんの携帯がブルブル震えだした。少し頭をずらしてデンちゃんを見れば、それに気づかずスヤスヤ寝ている。
腕枕されている、私は寝れないのに。
「デンちゃん」
少し控えめに落とした声で名を呼び、軽く身体をつついてみた。——が、反応はなく。
「電話鳴ってるよ」
今度は揺するように声をかける。
携帯もチカチカ光って、着信をアピールしていた。
「デンちゃん」
だけど起きない。