ガラクタ♂♀狂想曲

「そういや俺、さっきシャワー浴びながら寝てたんですよ。気抜いたら途中で寝るかもです」

「忙しそうじゃん」

「そんなことないです。まだまだ、これからですよ。駆け出し中の身ですからね、俺は」

「だけどテレビの影響って恐ろしいな。お前が出たあとの反響で、うちも問い合わせがすごい。おかげでランチタイムは客の年齢層をかなり広げたよ」

「あー…、そう。そうなんですよねえ。なんか俺ってオバサン受けがいいみたいなんです。なんでだろう?」

「そのまま芸能界入りして、クラシック界の氷川きよし路線で売り出してみれば?」

「——ちょ、それ。やめてくださいよお」

「いいじゃん。似合う、似合う」


ホストをしていたという面白エピソードに加え、あれこれ兼ね備えている隼人は、それを利用しつつ確実に成長を続けている。どこまでいくのか楽しみだ。


「そんなのダメですオーナー!シュウくんがキヨシみたく遠い人になったら、あたしなんか寂しいもん」

「なんないよ。しかもキヨシって。それより、いつ俺がお前の近くにいたんだーよっ。ほら、どっか行け!しっし」

「ひどおおおおおお」


池村さんを適当に扱う隼人。
しかしまだ知り合って間もないのに、扱いなれている様子で感心してしまう。


「あ、そうだ隼人、これやる土産」

「おおおおお!???」

「早く結婚できるといいな」


持ってきたコインを手渡すと、みるみる嬉しそうな表情。まるで尻尾をぶんぶん振る犬のようだ。そして彼女に視線を向け、いつものごとくふたりの世界が広がる。

ああ、なんか、俺も恋がしたい。










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