ガラクタ♂♀狂想曲
「じゃ上がってい?」
返事に迷う。だけどいままではこんなふうに聞いてこなかったから、少しは変わったのかな。
「……ねえデンちゃん。どうしたの急に」
「携帯のお礼?」
「あ、ああ」
なるほど、携帯の。だけどあれからまだ1時間と経っていないのに。
「どーもありがと、ショコちゃん」
「……いえいえ、それはそれは」
「おかげで助かった」
ぼーっと玄関に突っ立っていた私だけど、デンちゃのために道を開ける。
「どーぞ」
「おじゃましまーっす」
靴を脱ぎ私の前を通り過ぎたデンちゃん。だけど前とは違う嗅ぎなれない香水の香りがふわり。それだけが唯一、以前のデンちゃんとはハッキリと違った。
そしてすとんと定位置へ腰を落としたデンちゃんは、お気に入りのクッションをぽこぽこ叩き自分が買ってきたビールを開ける。
「はいショコちゃんも、どーぞ」
2本プシュッと。