ガラクタ♂♀狂想曲

「ほらショコちゃん。そんなところにいつまでも突っ立ってないで、早くこっち来て座れば?」


なんかどっと疲れが。それに眩暈も少々。


「……あのさデンちゃん」

「まあまあ、座って」

「なんか私のほうが、お客さんみたいなんですけれど?」


デンちゃんは、お構いなしで。私の手にビールを持たせてきた。


「実は俺さあ、今日はショコちゃんに話もあって」


そして乾杯のつもりなのかコツンと缶をあわせ、横目に私をちらりと見ながらぐびぐび。おいしそうに喉を鳴らす。


「ぷはあ、うまい。あれショコちゃん、まさか禁酒中とか?」

「…飲みます」


デンちゃんペースに巻き込まれてるせいなのかどうなのか。喉はカラカラだ。


「いただきます」


そしてゴクゴク流しこんだビール。30分とはいえ、寝起き状態の脳と身体にちょっと刺激的。

あの日、デンちゃんが出て行った朝に飲んだ生ぬるく気の抜けたビールとは違って、なんだかピリリとしみる気が。


「みずた」


するとデンちゃんが意味不明な言葉を発した。全く聞き取れなかった私。

だけどデンちゃんは、なんだか楽しそうに身体を揺らせたあと、ふたたびビールに口をつけた。

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