ガラクタ♂♀狂想曲
「ねえショコちゃん」
すっと顔を上げたデンちゃん。
そして私の首筋へ顔を埋めるようにずらせていき、耳元へ口を寄せた——
「…しよ」
囁くようにそう言って、私の耳たぶを甘く噛む。だけに留まらず妖しく指を這わす。
「俺、やっぱりしたくなってきた」
「なにを」
「わかってるくせに。いいでしょ?」
耳元には熱い吐息。
「ね?」
「えー…」
「しようよ」
ここまできたら抵抗する気などはなく、私の身体もじわじわとそれに反応していった。だってこれが初めてではない、いつもの流れ。
さし当たって欲求不満でもないけれど、こうしてデンちゃんに体を許してしまう私は、毒気が抜けクズになるデンちゃんとは違い、ここ数年クズ人生を歩んでいた。
「ショコちゃん」
そして4つ年が少ないデンちゃんは、囁くように甘い声で何度も私のことをショコちゃんと呼ぶ。
私の名前は、津川祥子(ツガワ ショウコ)。
ショウコのショコちゃん。
大学のころから、つい最近までキャバ嬢をやっていた。だけど、クズ人生を改めようと思い、きちんとした職に就くためにもすっぱり辞めた。
この小悪魔デンちゃんと出会った日は、キャバ嬢だった私が最後に出勤した日だ。