例えば危ない橋だったとして
「まぁ、俺も似たようなこと思ったけど」
黒澤くんが頬杖を付いたまま、視線だけをわたしに注いだ。
心臓を射抜かれたようで、胸がドキドキし過ぎて顔が熱い。
ビールが運ばれ、タイ風焼き鳥ガイヤーン、ナシゴレンなどメインの料理もオーダーする。
「お疲れ」
グラスを合わせ、黒澤くんとふたりで乾杯出来る喜びを噛み締めた。
今日はビールも一層美味しい。
生春巻きをつまみながら、わたしは最大の疑問を投げてみた。
「……わたし、黒澤くんにはもう……彼女居るかもって……」
「……そんなこと思ってたの?」
「だって、コンパ行ってたよね……」
黒澤くんは多少ふてくされたような顔をしてから、答えた。
「……舐められてんなぁ、俺の気持ち。そりゃーあの時は頭に血登ってたから、もう会わないって言ったし、コンパも行ったけど。ずっと好きだったのにさ……」
話しながら照れて来たようで、語尾に向け段々と声のボリュームが下がった。
わたしは顔を赤くしながらも、素朴な疑問を更に投げる。