例えば危ない橋だったとして
お店を後にし、路地裏へ進むと、突然肩を抱き寄せられた。
黒澤くんがわたしに優しくキスを落とす。
次第に甘く深く絡み合う。
今は誰も居ないけれど、大通りを歩く誰かの目に止まったらどうしようと、興奮して来てしまう。
しばしキスに酔いしれた後、唇が離れると、甘い息が漏れ出た。
彼のコートの袖を掴んだまま、うっとりと見上げると、その色香漂う目付きに胸が痺れた。
黒澤くんも溜息を漏らし、呟く。
「……ふたりきりになれる所行きたい」
心臓が大きく鳴ったが、わたしは口元に手を添えて、頬を染めながら頷いた。
「……無理なら無理って言えよ」
「……大丈夫」
「もう待ったなしだからな。ていうか待ったって言っても、やめないから」
照れた面持ちで牽制され、益々顔が染まったが、再度大きく頷いた。