例えば危ない橋だったとして
わたしは、黒澤くんの腕枕に身を預け、天井を仰いでいた。
隣の黒澤くんは、静かに瞼を閉じている。
「黒澤くん……寝た?」
「ん? うん……」
起きてるじゃん……心の中で突っ込みを入れつつ、あの話を振ってみた。
「あのさ……」
「うん?」
「……間部っちから元カノの話聞いたよ……」
「…………」
黒澤くんは瞼を閉じたまま険しい表情になり、つぶやいた。
「……間部……」
あっ怒ってる。不謹慎にも、ちょっと面白いと感じてしまった。
「ああいう綺麗な子がタイプってわけじゃないの……?」
「違うよ。大体あの人、3ヶ月しか付き合ってないし」
「そっか……」
視線を感じて目を向けると、黒澤くんがじっとわたしを見つめている。
「……信じられない?」
「そうじゃないけど……わたし、ちんちくりんだから」
「榊は可愛いよ」
「う、うん……そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど」