好きが涙に変わって溢れてく。
私の腕を離すと、魁は男に歩み寄り胸倉を掴んだ。
「ふざけんなよ」
次の瞬間、私の体が固まった。
魁が腕を振り上げ、彼を殴り倒したから。
「このヤロ……っ‼」
それを見ていた他の男たちが一斉に魁に掴みかかる。
1対4。
たくさん殴られてばかりの魁は、何度もやり返していた。
そして魁が怒り叫んだ言葉は……
「こいつはそんな女じゃねぇんだよ‼」
何も出来なくてその場に突っ立ってじっと見守ることしか出来なかった私は、それを聞いた瞬間止めようと魁の背中に抱きついた。
「魁……‼もうやめてっ!…もういいから…っ、こんなとこもし先生や誰かに見つかったら……‼」
“先生”という言葉に魁と男たちの動きが止まる。
この騒ぎだから、先生が駆けつけてくるかもしれない。そしたら魁が謹慎か退学になる可能性も十分あった。
魁は関係ないのに、私のせいでそんなことにさせたくない。
「行くぞ」
男たちも危険を察知したのか、掴んでいた手を離すと早々と去っていった。
ようやく静かになった廊下。
魁から離れると、魁が私の腕を掴んだ。
「大丈夫か!?」
腫れ上がっていて所々に血が滲んでいる頬。
大丈夫かなんて、それよりもしなければいけないことがある。
「……保健室、行くよ」
「おい……っ」
「いいから早く‼なるべく下向いてて!」
先生に見つかったら、この怪我ならまずケンカだとバレる。
どんな言い訳も絶対に通用しない。
けど保健室の先生は優しいから、理由を話せばきっと黙っててくれるはず。
魁の手を強引に引いて、急いで保健室に向かった。