好きが涙に変わって溢れてく。
数十分で手当ては終わり、血は完全に止まってさっきよりは大分目立たなくなっていた。
先生の仕方もうまくて、これなら大丈夫なはず。
黙っていてくれるみたいなので、本当に安心だ。
保健室を出てから数分、私たちは一度も言葉を交わしていない。
だけど私の頭の中にいろんな疑問が浮かんできて、私は口を開いた。
「何で私を助けたの?」
聞きたいことなら、山ほどある。
「なんでって……」
「何であんなこと言ったの?」
言い出したら止まらない。
魁の考えていることがわからない。
「俺は……」
「私のこと最低って言ったじゃない。見損なったんでしょっ?嫌いなんでしょっ!?、なのに何で助けたのよ……‼」
私は叫び声に近い声で魁に詰め寄った。
「噂だけを信じて、私のことなんて少しも信じてくれなかったくせに……‼いつだって明菜の味方したくせに、どうしてあんなこと言ったのよ‼」
“こいつはそんな女じゃねえんだよ‼”
少しずつ少しずつ、忘れようとしていたのに、あんな風に言われたらまた元の気持ちに戻っていくだけ。
余計に私を苦しめる。
「ゴメン……俺……」
そんな困った顔しないでよ……
「もういいから、じゃあね」
先に歩いていこうとしたら、魁に手を掴まれた。
「違うんだ‼」
真剣な眼差しに、思わず立ち止まってしまった。
「俺……お前に謝りたくて……お前があんなことするような奴じゃないってわかってたはずなのに、最低なこと言って……本当にゴメン」