好きが涙に変わって溢れてく。

頭を下げる魁に、笑顔を向けることも怒ることも出来なかった。


今更って思ったけど、私のことわかってくれたの?



「このままお前と喋らないで終わりたくない、前みたいな関係に戻りたいんだ」



前みたいな?

それって友達として?


たったそれだけの為に傷を負ってまで、私を助けてくれたの?



嬉しいけど、嬉しくない。


魁にしてみたら普通でも、今の私にはこんな中途半端な関係辛いだけなのに……




「魁は……明菜のこと好き?」


「え?」


「明菜のこと、好きだよね?」



突然の質問に戸惑っていたけど、迷わずに答える魁。





「うん……好きだよ」





魁も一途だもんね。


私は微笑んで彼を見上げた。



「なら、今のままでも平気よね?私がいてもいなくても、何も変わらないでしょ?」



何を言ってるんだろうって、心のどこかで思ってた。


前みたいに大好きな人と話せるのに、何で突き放すようなこと言ってるんだろうって。



でもこれが一番、自分を苦しめない方法なんだ。




「お前がそれでよくても、俺が嫌なんだよ。友達じゃダメなのか?お前は俺のこと、嫌いなのか?」


「別に嫌いじゃ……」



好きだよ。あなたのことが大好きなの。


だから叶わないなら、もう中途半端な関係も終わりにしなきゃ。






「もしかして、あいつと付き合ってるからか?」


「あいつ……?」


「蕪城尊琉。前……抱き合ってる所みたから」


「え……!?」

< 234 / 432 >

この作品をシェア

pagetop