舞龍
え、久々に乗るから乗れるかな。
そんなこと考えてると、迅が「乗れるか?」ときいてきた。一応乗れるけど……



「これ、乗らなきゃダメ?」



バイクには、あまりいい思い出がない。


迅はあたしが怯えているのだと勘違いしたのか、抱き上げてあたしをバイクに乗せ、



「大丈夫だ。絶対落とさねぇから。」



と、なだめてくれた。
まぁ、バイク自体が嫌いなわけじゃないし、今日は乗ってみるか。


そうこうしているうちに、大きな建物が見えてきた。前にはバイクが何台も止まっている。



ここ……か。



迅たちが建物の前にバイクを止めると、数人の男が出てきた。



「お疲れ様です!総長!」



おぉ。迫力あるー(棒)


「あぁ。」


迅達はそっけなく返事をし、階段を上っていった。あたしも慌ててついていく。多分この先にあるのが幹部室だろう。



「あたし、この先には入れないよ。」



きっぱりとそう言い切るあたしにブロンドは盛大なため息を漏らした。

次の瞬間。

あたしの体は宙に浮いていた。




「って、なんで抱きかかえられてんの?おろしてよ。あたしはここにはッ」



入れない。そう続くはずだった言葉を遮ったのは青色で、そいつはあたしのスカートの中をのぞきながら、



「黒のレース……ねぇ。」



と、呟いた。

こいつマジで一旦殺す。
てか、おい。ほかのヤツら。
「黒のレースかぁ……///」
その反応やめろ。



「んじゃ、嬢ちゃんのアレも拝めたし、ここは軽く自己紹介でもしましょ~かねぇ。」



青色がゆるく喋る。




「ってことで、俺は佐倉 帝(さくら みかど)~。大好物は女~、嬢ちゃん俺にくわれちゃう~?」


「遠慮しとくわ。」



「俺は夜神 琉也(やがみ りゅうや)。」




「改めて僕は、美守 渚!」
「真遠 嶺だよ。」
「黒向 迅。」



「「「「「よろしく。」」」」」




あ、はい。



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