とあるレンジャーの休日

『私、紫乃先生に一生ついて行きます』

 彼女はそう言って、紫乃が退職したら本当に後を追いかけてきたのだ。

 薫子は腕のいい看護師だし、どこに行っても困らないだろうから、死ぬまで面倒みなくてはいけないとまでは思っていない。
 でも最低限、彼女が食べていくのに困らないようにしなくては、と、紫乃は考えている。

 他にいる三人の看護師たちは、苦笑いしながら口々に言った。

「松本先生は、なんだかんだと話聞いてあげちゃうからね」

「紫乃ちゃん先生の方が患者に厳しいわ」

「怒ると、口調が吾郎さんそっくり」

 紫乃は怪訝な顔をして振り返る。

「父さんに?」

 あまりその自覚はなかった。
 すると、薫子が嬉しそうに頷いて言う。

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